車のメーターパネルに表示される鍵のマークは、そのほとんどがイモビライザーシステムの作動を示すものですが、その色や点灯・点滅の仕方によって、ドライバーに伝えようとしているメッセージが異なる場合があります。また、そのデザインや意味合いは、自動車メーカーや車種によって、微妙に違いがあります。自分の愛車の「言葉」を正しく理解しておくことは、いざという時の冷静な対応に繋がります。最も一般的なのが、日産やトヨタ、ホンダなど、多くの国産車で採用されている、エンジンオフ時に「赤色の鍵マークが点滅する」パターンです。これは前述の通り、「イモビライザーが正常に作動し、警戒中です」という、全く問題のない状態を示しています。しかし、同じ赤色でも、エンジンをかけようとした際に「点滅」あるいは「点灯」に変わった場合は、話が別です。これは、「キーが認証できません」というエラー信号であり、スマートキーの電池切れや電波干渉などの原因を探る必要があります。一方、輸入車、例えばフォルクスワーゲンやアウディなどでは、エンジンオフ時に「黄色の鍵マーク」が点滅または点灯することがあります。これも基本的には、イモビライザーの作動を示す正常な状態です。しかし、走行中にこの黄色の鍵マークが点灯した場合は、「キーの電池残量が少ない」あるいは「キーのシステムに何らかの異常がある」ことを示す警告灯となります。速やかにディーラーなどで点検を受ける必要があります。また、一部の車種では、鍵のマークではなく、車に鍵がかかっている様子のアイコンや、「SECURITY」という文字で、セキュリティシステムの作動を示す場合もあります。このように、鍵マークが発するメッセージは、一つではありません。自分の車の取扱説明書には、それぞれの警告灯や表示灯が持つ意味が、必ず詳しく解説されています。一度、じっくりと目を通し、愛車が発する様々なサインの意味を、正しく理解しておくこと。それが、車との良好な対話を築くための、第一歩となるのです。
車種によって違う鍵マークの意味