通常であれば、エンジンを始動すれば消えるはずの、メーターパネルの鍵マーク。しかし、エンジンがかかっているにもかかわらず、このマークが点滅、あるいは点灯し続けている。これは、明らかに正常な状態ではありません。イモビライザーシステム、あるいはキーとの通信系統に、何らかの異常が発生していることを示す、明確な警告信号です。このような状況に遭遇した場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。まず、最も重要なのは、慌てずに安全な場所に車を停めることです。走行中に突然エンジンが停止するといった、直接的な危険に繋がる可能性は低いとされていますが、システムの異常であることに変わりはありません。交通の妨げにならない、安全な場所に停車し、一度エンジンを切ってみましょう。そして、数分待ってから、再度エンジンを始動させてみてください。一時的なソフトウェアのエラーなどであれば、この再起動によって、システムが正常に復帰し、警告灯が消える場合があります。それでも鍵マークが消えない場合は、いくつかの基本的な点検を試してみます。まず、スマートキーの電池を、新しいものに交換してみましょう。電池の電圧が不安定になることで、システムが異常を検知している可能性があります。また、キーの近くに、スマートフォンや他の電子機器があれば、それらをキーから離してみてください。これらの機器が発する電波が、システムの誤作動を引き起こしている可能性もゼロではありません。これらの簡単な対処法を試しても、依然として鍵マークが消えない場合は、もはや個人で対処できる範囲を超えています。キー本体の内部基盤の故障、車両側の受信アンテナや、認証を行うコンピューター(ECU)の不具合など、専門的な診断が必要な、より深刻なトラブルが考えられます。この警告を無視して乗り続けることは、非常に危険です。最悪の場合、次にエンジンを切った後、二度と始動できなくなる可能性もあります。速やかに、自動車ディーラーや、信頼できる整備工場に連絡し、専用の診断機による点検を依頼してください。
鍵マークの点滅が消えない時の対処法