「浴室のドアを新しくしたいけど、壁を壊したり、何日も工事がかかるのは困る」。そんな悩みを抱える方に、ぜひ知ってほしいのが「カバー工法」という、画期的なリフォーム技術です。この方法なら、大掛かりな解体工事をすることなく、わずか一日で、古くなった浴室ドアを、まるで新品のように生まれ変わらせることができます。カバー工法とは、その名の通り、既存の古いドア枠の上に、新しいドア枠を「カバー」するように、覆い被せて取り付ける工法です。まず、既存のドア本体と、邪魔になる部品を取り外します。そして、残った古いドア枠を土台として利用し、その内側に、採寸してオーダーした新しいドア枠をはめ込み、固定します。最後に、新しいドア本体を吊り込めば、作業は完了です。この工法の最大のメリットは、壁やタイルを一切壊す必要がない、という点にあります。従来の工法では、古いドア枠を撤去するために、壁の一部を解体し、その後、補修や内装の再仕上げを行う必要がありました。そのため、工期が数日に及び、費用も高額になりがちでした。しかし、カバー工法なら、こうした解体・補修作業が一切不要なため、工事は数時間から、長くても一日で完了します。工事中の騒音や埃も最小限に抑えられるため、ご近所への気兼ねも少なくて済みます。また、ドア枠ごと新しくなるため、ドア本体だけを交換する場合と比べて、見た目の一新度が格段に高く、防水性や気密性といった、ドア本来の性能も、大幅に向上させることができます。費用は、ドアの種類にもよりますが、工事費込みで十万円から二十万円程度が相場です。もちろん、ドアの開口部のサイズが、ほんの少しだけ狭くなるというデメリットはありますが、それを補って余りある、時間的・経済的なメリットと、高い満足度を得られるのが、カバー工法なのです。古くなった浴室ドアのリフォームを考えているなら、この「簡単、きれい、スピーディ」な選択肢を、ぜひ検討してみてください。