長年使ってきた玄関の引き戸の鍵が、最近どうも調子が悪い。あるいは、もっと防犯性の高い、最新の鍵に交換したい。そう考えた時、気になるのが、その交換にかかる費用と、具体的な手順でしょう。引き戸の鍵交換は、錠前の種類や、自分でやるか、プロに頼むかによって、その内容が大きく変わってきます。まず、費用についてです。専門の鍵屋に依頼した場合、費用は主に「部品代(新しい錠前の価格)」と「作業料金(交換工賃)」で構成されます。二枚の引き戸が中央で重なる部分の「引違戸錠」を、一般的なギザギザの鍵から、防犯性の高いディンプルキータイプに交換する場合、部品代と工賃を合わせて、おおよそ二万五千円から四万円程度が相場となります。戸の先端にある「戸先錠」を、鎌錠タイプのものに交換する場合も、同様の価格帯を見ておくと良いでしょう。これに、補助錠を新たに追加する場合は、さらに二万円から三万円程度の費用が加算されます。次に、自分でDIYで交換する場合の手順です。まず、最も重要なのが、既存の錠前と互換性のある、正しいサイズの新しい錠前を購入することです。ドアの側面や錠前本体に刻印されたメーカー名と型番を控え、戸の厚みや、ネジ穴の位置などを正確に採寸する必要があります。交換作業は、まず、室内側と室外側のネジを全て緩め、古い錠前を取り外します。この時、部品の向きや構造を、スマートフォンで撮影しておくなど、記録しておくと、後で分からなくなるのを防げます。そして、新しい錠前を、取り外した時と逆の手順で、丁寧に取り付けていきます。最後に、必ず戸を開けた状態で、鍵がスムーズに施錠・解錠できるか、鎌がきちんと受け座に収まるかなどを、何度も確認します。この最終確認を怠ると、戸を閉めた後に開かなくなるという、最悪の事態も考えられます。DIYはコストを抑えられますが、失敗のリスクも伴います。特に、玄関という家の安全の要となる部分ですから、少しでも不安があれば、迷わずプロに依頼するのが賢明な判断です。
引き戸の鍵交換その費用と手順